英語リスニング上達の秘訣:エコー・トレーニングとシャドーイングの違い

8/8/2025

英語を学ぶ鍵とは何でしょうか?

優れた答えの一つは:聞くことです。

英語を聞いているとき、耳は音を受け取り、脳は情報を処理し、口は思わず反応しようとすることもあります。
でも、実際にどれだけ「聞けて」いますか? そして、どれだけ「聞き逃して」いますか?

エコー・トレーニング vs シャドーイング ― 何が違うの?

従来の「シャドーイング」練習は、実はあまり効果的ではありません。
あなたは単語をいくつか聞き取ったり、なんとなく音の流れを追ったりすることに集中していて、台詞についていくのがやっとかもしれません。
でもその間に、あなたの思考や心の中のつぶやきが、新しい音声情報の流入を妨げています。その結果、ただ機械的に繰り返すだけで、発音も変わりません。
多くの人は、一度発音の基礎を学んだきり、本物の英語がどのように話されているかを注意深く聞くことをしなくなります。

もっと効果的な方法はないのでしょうか?

その答えが「エコー・トレーニング(Echo Training)」です。


🚀 練習ステップ

1. 音声素材を選ぶ

真似しやすい短い音声や動画を選びましょう。アメリカ英語を練習したい場合は、次のような素材がおすすめです:

  • NPR公式サイト:内容は明瞭かつフォーマルで、スクリプトが付いているものもあります。
  • 海外ドラマ:Gilmore Girlsなど、日常会話が豊富な作品。

自分が興味を持てる内容を選ぶことが重要です。そうでないと飽きてしまったり、途中でやめてしまうことになります。理想の長さは1〜3分程度です。

NPRのPCサイトでは音声のダウンロードが可能です。
ドラマのスクリプトはGoogleで検索して印刷しておくと、後の練習で役立ちます。


2. 数回通して聞く

まずは全体を2~3回聞いて、内容やリズム、雰囲気をざっくりと把握しましょう。
全部を理解する必要はありません。まずは耳で感じることが大切です。


3. スクリプトを読む

  • まずはざっと目を通しましょう。
  • それからじっくり精読し、分からない単語や文法を調べます。
  • 完全に理解できるまで読み込みます。

4. 精聴 + エコー記憶

  • 4~5語程度の短いフレーズを再生し、一時停止します。
  • 聞くことだけに集中してください:発音、アクセント、イントネーション、リズム。
  • すぐに繰り返してはいけません。

5. 「頭の中のエコー」を聞く

音声を止めた後、あなたの脳にはそのフレーズの「音の残像」が自然と残ります。これが「エコー記憶(echoic memory)」と呼ばれる、神経科学的に実証された短期的な聴覚記憶です。


6. 無意識に発音するのではなく、「エコー」を模倣する

  • 心の中に残った「エコー」を丁寧に聞き取ったあとで、口に出してみましょう。
  • すべての音節を、元の音声としっかり一致させるように真似します。
     自分の癖で発音しないように注意しましょう。

7. 流暢になるまで繰り返す

  • 同じフレーズを何度も繰り返して練習します。
    • 考えずに自然に言えるようになるまで
    • ネイティブのように自然でスムーズに聞こえるようになるまで

8. 次のセクションへ進む

  • 各セクションは4~5語程度
  • ステップ4〜7を繰り返す
  • 練習時間は1回10分程度で十分です

✅ まとめ

「エコー・トレーニング」は、ただやみくもに真似して繰り返すのではありません。
心の中に響く「エコー」に耳を澄ませながら、本物の聞き取り力・発音・リズム感を養うトレーニングです。
耳を鋭く、口を正確に——それがリスニングとスピーキングを本当に伸ばす鍵です!


出典:

著者:カレン・ステファン・チャン(Karen Steffen Chung)
台湾大学外国語学部 准教授